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共謀罪と平和-何の関係が?

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2月28日に有志でJR垂水駅前にて1時間半「共謀罪新設 どう思う?シール投票」を実施。
賛成 3  わからない 8 反対 24  関心低し。


【話し合っただけで罪になる共謀罪新設なるか?】
共謀罪新設のための法案が公表され、テロ対策と説明してきたのにテロという文言も定義もないと報道されています。批判を受けて、対象とする犯罪の数も、670ほどある刑期4年以上の犯罪のうち270ほどに絞りこんだものの、その根拠など不明。前に同類の法案を国会に出したときには、どうしても670の罪について共謀罪を設定しないと国際条約を批准できないと言っていたのは間違った判断だったのか、と聞かれて法務大臣はしどろもどろ。昔のことは知らないそうです。

●参考になる記事へのリンク
東京新聞ほっとWeb2月28日記事

日本弁護士連合会の反対声明

日弁連の声明は、政府の統一見解「犯罪目的の集団でなくてもその性質が一変したときは対象となる」が公表される前に作成されています。性質が一変したかどうかのみきわめのためには常時監視が正当化されるので、この見解により同法案の危険性はさらに高まります。この点を考えて、2月26日の弁護士会主催の共謀罪反対デモでは「メールを読むな」「パソコンのぞくな」などより具体的な警鐘となるコールも行われました。

次の法学館研究所のサイトの文章は犯罪の数が絞り込まれる前に発表された文章ですが、本質の説明としてわかりやすかったです。

法学館研究所

【戦争反対の声を圧殺】
で、なぜこのKOBEピースiネットのブログで取り上げるのか?
それは同じ性質の法律、治安維持法が戦争反対の声を圧殺するための強力なツールとして使われたという史実があるから。

先日垂水駅前で共謀罪新設の是非を問うシール投票をしていると、戦争を記憶している世代の人が「隣組が復活しそうや」と言って「反対」にシールを貼っていかれました。
隣組なるものを体験した人は少ないでしょうね。私も戦後生まれなので知りませんがドラマなどで再現されることがあり、知識としてはわかります。
「どうも日本は負けそうだ」「アメリカ相手に馬鹿な戦争を始めたものだ」「戦争はもういやだ」などしゃべっていると、それを聞きつけた隣組(配給物資の受給や空襲時避難を行う地域の末端組織)の構成員の誰かが警察に通報。非国民として引っ張って行かれる、そういうことが実際にあったのです。隣組は、戦争を遂行する国が国民を統制する必要からもうけた戦時中の地域統制組織でした。

相互監視の暗い日々を記憶する人々は今度の共謀罪新設の話でそれを思い出して、通報により共謀罪を犯したとされ拘束されるようになるのでは、と危惧するのです。だって、何かを計画し話し合っても警察に通報した者は減刑・無罪放免されるというのですから密告奨励の法です。


【元祖共謀罪法―治安維持法の「成果」】
さて、実際に共謀(話し合うこと)を罪とする治安維持法があったころ、どんな風に運用されていたのでしょうか。名目は「国体(天皇制)の維持」と「私有財産制を否定する危険思想の取締まり」のため。まず共産主義者(共産党関係者)は徹底的に迫害され共産党は非合法化され党員はことごとく検挙され、共産党は壊滅状態に。その後は政府にとってやっかいなあらゆる傾向の人々に対して適用されました。共産党が取り締まりを受けたのはその思想が財力ある人々から危険視されたからでもあるでしょうが、より直接的には戦前から「侵略戦争反対」「植民地主義反対」と訴えた唯一の政党だったからでしょう。
1926年から1945年の間に治安維持法違反で検挙されたのは7万人、起訴されたのはその1割、拷問で殺されたものは194人、獄中で病死したものは1503人。文学者の小林多喜二もそのひとりです。


【横浜事件】
私は横浜に住んでいた10年ほど前に、「横浜事件」って何かしら?と思い、DVD「横浜事件を生きる」(ビデオプレス製作)を購入しました。共謀罪と関係があったような気がする、と思って先日もう一度視聴しました。これは治安維持法を適用した冤罪事件として知られているものですが、もう知らない人のほうが多くなっているかもしれません。概要を書いてみます。

事件は1942年に起こりました。戦争中で検閲制度のある時代でした。検閲を通った論文「世界史の動向と日本」が「改造」という雑誌に掲載されたことを記念して、著者の細川嘉六とその友人7名が旅館に集い宴会をしたところ、その集まりを「共産党再建大会の準備のための集まり(違法な団体の結成準備の相談)」として全員逮捕。拷問を加え、うち4人が獄死。この8人の知人や出版社の関係者約60人も逮捕され、うち30人が拷問による「自白」のみを根拠に有罪とされた事件です。まったくの冤罪でした。神奈川県警が他県に負けず手柄を立てるよう圧力を受けていた結果ともみられています。戦後釈放されましたが、拷問を生き延びたメンバーと遺族が冤罪の判定を勝ち取ったのは何度も再審請求をして闘い抜いた後の2010年のことです。拷問に責任があったと認定された3名は講和条約の発効に伴う恩赦で放免。この細川さんは政府批判を正面からしたことはないものの、アジアの中で日本は欧米のような植民地主義ではなく対等互恵の関係を近隣諸国との間に築くべきだと説いていた人です。今でいうとリベラリストですね。そんな主張すら問題視された時代があった。


【そして今】
その時代を美しかったと思う首相が先頭にたって成立させたがっているのが共謀罪新設の法案です。

名目は何でもいい。警察の裁量の余地が大きくなるほど、政権にとって都合の悪い分子を人々から隔離し犯罪者扱いできます。裁量の余地の大きい法律の特徴は言葉の定義がきちんとされない、「テロ等準備」の「等」などのように幅のある表現をする、「場合によっては取り締まりの対象になる」、など、運用の自由度を確保するところにあります。今問題になっている法案がまさにそうです。名目どおりテロ防止のためだと思って賛成したら大変なことになります。PKO五原則が壊れている南スーダンに自衛隊を派遣する政府、戦争法を平和安全法という政府、防衛費を増大させ続ける政府、沖縄県の民意を無視し続ける政府は多くの批判に値すると思われますが、共謀罪新設でやたらと人を罪人扱いすることができれば、政府を批判する運動を委縮させることに効果があるかもしれません。

国際条約はたくさんあり、テロ防止関係のものは13もあります。日本にはそれに対応する国内法がすでに整備されており、重罪となるものについては凶器準備集合罪やハイジャック防止法などにより、準備段階で逮捕できるようにすでになっています。
しかも今回政府が「批准するのに共謀罪新設がどうしても必要」としている条約はテロ防止条約ではなく、国境を越えた組織犯罪に対処するための条約で、その分野でも日本ではすでに58もの法規が整っています。日本が法の整備がなくテロが発生しやすい国だということはできないのに、こんなにも執拗に「話し合っただけで犯罪になる」ようにしたいというのは、説明されている理由では納得いきません。

911後のアメリカでは思想や表現の自由を少し制限されてもテロリストから国を守るためにはしかたないという考えが一定の支持を受け、監視体制が進みました。マックで何を食べたか、どんな本を購入したかまで把握されている。店頭のレジのシステムが大規模なデータベースにつながっているといいます。テロはこわいぞ、と言って恐怖をてこに人々を支配する、これもテロリズムでは?


【共謀罪新設の是非を問うシール投票】
あす7日の午後(1時~2時半)三宮マルイ前で「話し合っただけで罪になる 共謀罪どう思う?」シール投票が行われます(主催:共謀罪新設の是非を問うシール投票こうべ)。どなたでも参加できるし、きっと歓迎されます。市民の関心を少しでも高める努力をしましょう。たまに若い人とも対話ができ、楽しいですよ。
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【連続講座後半のご案内】
いろいろなイベントに取り組みやすい春ですね。どうか3月26日は「東北アジアの平和をつくる」連続講座の万障お繰り合わせの上おいでください。第四回「21世紀の中国は何を考えているのか」を、中国問題の専門家 矢吹晋さんを横浜からお招きして開催します。
どんな相手でも、その考え方や論理をよく理解した上で友好的な関係をつくりあげるための知恵を練らないと平和なアジアは実現できません。好き嫌いの感情はおいといて、中国の実像に迫りましょう。

場所は こうべまちづくり会館 1時半~16時半
問合せ:080-6799-5775 高橋

連続講座中国編はこのあと5月、7月と続きます。

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