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妖怪は私たちの心に?

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今年15歳になりますが、好奇心は衰えていません。好きな番組は「ダーウィンが来た!」。
          
【東北アジアの平和をつくる連続講座】
3月26日(日)に第四回「21世紀の中国は何を考えているのか」を開催しました。参加者は33名。ある参加者からは、こんなに充実した講演会なのだから、もっと広報に力を入れてほしい、とのご要望をいただきました。

内容は、中国関係の事実と認識を巡る歴史から日本政府がそれらを踏まえずに展開している外交・国内向け宣伝の問題性の指摘まで多岐にわたり、随所に毒舌が混じり..知的刺激と痛快さに満ちた90分でした。ちょっとまとめきれませんが、私たちがこのテーマで講演をお願いした趣旨に照らしてとりわけ重要と思われる項目のみおさらいしてみましょう。

(1) 中国脅威論の歴史
矢吹さんは中国脅威論に関して「幽霊や妖怪は日本人の心に住む」という認識を示されました。中国自体が脅威をはらんでいるというよりは、私たち日本人の心に蔑視、差別意識、不信感が巣くっていて、その土壌で中国の躍進を眺めるときにそれを脅威と感じる、ということ。

黄禍論というものが広がった時代がありました。黄色人種が禍をもたらすという。それは1800年代の終わりに発生し、中国の義和団の乱以降広く使われるようになりました。清朝末期の1900年、中国の分割支配をたくらむ列強に対して義和団が決死の武装抵抗を行いました。侵入して利権をあさっていた国々が抵抗勢力を禍といい脅威というのはまことに自分本位であり、植民地主義を正当化する分脈で生まれた表現です。
日本はこのとき列強に味方しましたが、欧米では日本人も含めて黄色人種を排斥・差別するとき黄禍(Yellow Peril)という語句が使われ、戦時中のアメリカにおける日系人排斥の際もこのフレーズが使われました。
中国を脅威とする認識はこのような黄禍論に始まり、その後、中国の人口―食糧問題、元の切り上げ・切り下げ問題など、ことあるごとに取りざたされてきました。
この20年間、中国は飛躍的に経済力をつけ、世界の中での存在感が増してきています。一方、日本は相対的に地位が下がってきており、経済成長がおもわしくないことも自信喪失をもたらしています。

かつては低く見ていた中国の躍進を、自信喪失という心境で目にするとき、事実の確認なき脅威論が台頭する...というご指摘だったと思います。相手を弱いと見ていたときは蔑視し、強いと見えてくると脅威を感じる。どちらにしても相互尊重の精神、対等互恵の精神ではないわけです。

「幽霊や妖怪は日本人の心に住む」という表現は衝撃的でした。「21世紀の中国は何を考えているのか」という、私たちが設定したテーマ自体に、日本人がわれ知らず受け継いでしまっている意識があらわれていると指摘されているようにも感じられました。だって、「フランスは何を考えているのか」「ドイツは何を考えているのか」という問いは思いつきません。中国に対する不信感を受け継いでいるからだと矢吹さんは言葉にはされなかったけれど、そんな気がします。

(2) 中国の躍進とは
この25年間の変化をグラフで確認するとそのめざましさに驚きます。米国のコンピュータ輸入を見ると日中の重みが完全に逆転しています。

逆転



また、世界の中での経済大国としての中国の現状も数字でわかります。
2015年の統計でみると、米国、EU、ASEAN、日本、のいずれも対中貿易は赤字になっています。
たとえば米国は1918億ドルの赤字、中国は全体で5904億ドルの黒字です。
米国も世界もいまや中国を無視して経済を語ることはできないのです。

逆に中国から見ると、どの国も対中貿易で赤字になっていることが、中国が全方位外交を進めるべき理由となっています。貿易摩擦が簡単に全般的摩擦とならないように外交においても注意深くかじ取りを進めていかなければならないわけです。

(3) 現在の中国の経済・外交政策
(2)の経済的要因を背景として全方位外交を行っています。中国を敵視しているかに見えるトランプ大統領にも穏やかなメッセージを送りました。経済政策としては、アジアインフラ投資銀行を開設。(注:EU加盟国も含めて加入を促しています。米国と日本はこれにそっぽを向いていますが、すでに70カ国が参加しています。イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなども参加しています)またユーラシア地域でのインフラ投資の推進とも関連して一帯一路構想が打ち出されています。


一帯一路構想とは:
習近平国家主席が2014年にアジアから欧州にかけての経済発展を促す目的で提唱したプラン。
One road one belt

想定されている経済圏の規模:人口44億人、26の国・地域、GNP21兆ドル

(4) 軍備増強政策を捨てられない理由
新聞報道からも中国が軍備の近代化をはかっていることや南西諸島で軍事的インフラ整備を活発化していることがうかがえます。それは何のためか、という質問がありました。
矢吹さんは時間があまり残っていなかったこともあり、短く「歴史的トラウマ」という言葉で説明されました。軍事大国に侵略されてきた歴史の記憶がある、と。

(参考:3月21日付け朝日報道によると、中国軍の内部誌で「(現在の)米軍には南シナ海で軍事衝突や戦争を起こす力量と意図はない」「軍事危機が発生する可能性はあるが、当面は本格的な軍事衝突や戦争には発展しない」と結論づけた、としています。また「こちらから第一発を撃ってはならない」と強調していることも紹介されています。尖閣諸島(中国名:釣魚島)を巡っては「日本の対応を利用して周辺のパトロールを常態化させた」と認識し、危機にうまく対応した例としているそうです。)

軍事のことはよくわかりませんが、大きな絵の中で物事を考えないとおかしなことになりそうです。

(5) メディアと政府の記録管理の問題
この問題については日本の全国紙などの記者が自分で重要な公文書にあたらず、政府発表を受け売りしていることを厳しく批判。そして政府については情報公開法ができてからさらにおかしくなっていて、都合の悪いものを捨ててしまう傾向が出てきているとも指摘。米国は政策がどうあれ、記録はしっかりしているので研究者が請求して生の情報にあたることができるとも。

長くなりすぎるので連続講座第四回の報告、今日はこの辺で。次回は5月28日、13:30~。「領土問題と日中関係」です。同じく矢吹さんにお話しいただきます。場所は兵庫勤労市民センター。


【武器輸出と軍学共同の問題】
KOBEピースiネットは昨年から地元の企業に武器輸出をしないよう働きかけるアクションに取り組んできました。一連の取組みは武器輸出反対ネットワークの取組みに応えたものでもありました。その代表の杉原浩司さんの発信を感謝とともに紹介させていただきます。

杉原浩司さんの記事
   
杉原さんのブログ

武器輸出三原則撤廃から丸3年となる4月1日、武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)としての声明を発表    
NAJAT声明

【イベント案内】
毎週の定例アクション
木曜 午後3時~4時半 三宮マルイ前 街頭宣伝行動
   主催: 安保法制に反対する市民の集いと市民デモHYOGO
土曜 午後1時~2時  三宮マルイ前 街頭宣伝行動
   主催:辺野古の海に基地をつくらせない神戸行動

第三水曜 ピースキャンドル(街角平和の歌声アクション)元町東口南側6:45~

4月23日 辺野古の新基地ゼッタイ止める!4.23兵庫集会 前売り500円 当日700円
      あすてっぷ KOBE 14:00~16:00 
主催:こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO
沖縄から安次富(あしとみ)さんをお招きし「辺野古のいま、これから」を話していただきます。
その後、元町、大丸前までデモ。シンボルカラーはグリーンです。何かグリーンのものを身につけて参加しましょう。

4月16日 自衛隊伊丹駐屯地への要請行動 「戦争しない日本がいいね!」などのコールや歌を隊員に届け、海外派兵をしないことを求める要請書を届けます。10時門前集合。

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