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「ない」と言っても在るものはある-領土問題

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一週間前のフィンランド、ヘルシンキで桜が咲いたとのお便りをもらいました。
卯の花の写真を撮り損ねているうちに卯月が終わってしまったて..もう日本はアジサイの季節ですね。


矢吹さんを講師にお迎えした学習会から5日目。面白かったお話を面白くまとめることができずに悶々としています。
演題は「領土問題と日中関係」だったが、そこにとどまらない問題にも触れられました。

「東北アジアの平和をつくる」連続学習会は全6回(次回7月30日が最終回)で、そのまとめは後日ゆっくりと作成することになりますが、5日前の第五回で特に印象的だったことだけ抜粋して書いてみます。


【日中の見解の相違と日本政府のウソ】
日本政府の戦後の公式見解は一貫している。「日中間に領土問題は存在しない。尖閣諸島は日本固有の領土であり、日本は国際社会で確立されている先占権を発動して1895年に無主地であった尖閣の領有を宣言した。」というもの。領土問題を棚上げした事実を否定。

これに対して中華人民共和国は、台湾を含む一つの中国を代表する政府として尖閣諸島は台湾の固有の領土であり中国に領有権があるとしている。ただし、この主張の食い違いは違いとして、1972年の周恩来と田中角栄の交渉において領土問題を棚上げして当面の問題、つまり日中国交正常化問題の解決に集中することになったとしている。この「棚上げ」の辞事実を漁業協定締結に対して鄧 小平も再確認している。

●日本政府の一貫した説明とは異なり、日中間で領土問題を棚上げにした=領土問題の存在を双方が認めた上で、それを論じることはやめることで合意した、というのは事実なのか?
この点に関して矢吹さんは重要な証拠をあげて説明された。それは周恩来と田中角栄首相の対談内容である。矢吹さんは当時の外務省中国課長橋本恕氏が正式な議事録から田中首相が棚上げに合意した部分を削除したが、2000年の清水幹夫氏に対する証言で、その内容を確認していると指摘しておられる(大平正芳杵財団『去華就実』に収録)。

◆尖閣諸島について関係国の主張が食い違っている。それには歴史的な背景や戦後処理にまつわる米国の思惑やその立場の変遷、関係国内部の政争などが影響していてややこしいが、はっきりしていることは、現在、関係国の主張が食い違っているということ。
(先占権について日本政府にとって具合の悪い事実:日清戦争が日本の勝利で終わることが確実になったときまで、魚釣島に国標を立ててほしいとの要請(1884年)を日本政府は清との間で紛争になるという理由で退けている。軍事的優位性を背景にわが物にしたことになる)
関係国の主張が食い違っているという事実を認めずして解決はありえない。
その上で、ちっぽけな石ころだらけの島を巡って戦端を開くのでないなら
領有権問題を棚上げして資源開発は共同・互恵の原則で行う
領有権問題は将来可能な時期に平和的に解決する

など、現実的な解決法を探るしかない、と思われます。日本政府もまさか戦端を開く気はなく、現に、これまでも武力に訴えるという態度はとっていません。ただ、ナショナリズムを煽り、軍事的脅威が高まっているごとく宣伝し、軍備増強へと世論を誘導する材料として使っている..


【日本政府は現実を見ようとしない】
いろいろな例を挙げられたが、比較的最近の事例を一つ。
それは海洋法を巡る問題。2016年に南シナ海の島々を巡る係争に関して国際司法裁判所の仲裁裁定が出た時、日本政府とマスコミはこぞって中国にとって不利な裁定が出たと大喜びしたが、それを支持するのなら日本にとっても不利な結果をのまなくてはならない。日本は、沖の鳥島が日本が領有する「島」であって、そこを起点として200カイリの領海権があると主張してきたが、その主張に根拠がないことを認めないといけない。仲裁裁定のポイントは南シナ海に島はなく、すべて岩だというもの。いずれの国の200カイリの領海を主張できない点にある。そして、日本に影響があるのはその根拠で、それは海洋法にある「人間が居住できない、あるいは経済生活を維持できない岩は排他的経済水域あるいは
大陸棚を持たない」という定義だ。日本は沖の鳥島の周囲に人工物を建造したりして領海を増やそうとしてきたが、人工物をつくってもこの定義は覆せないので、まったくの徒労なのだ。

海洋法によると
島なら 20カイリの領海あり 200カイリの経済水域あり 最大350カイリの大陸棚あり
岩なら 20カイリの領海あり 経済水域も大陸棚のなし

海洋法を自己都合で解釈しても国際社会では通用しない...


【グローバル・コモンズという概念】
ほかにもいろいろ論点があったが、仲裁裁定で言及されている「グローバル・コモンズ」(人類の共同遺産)という思想に言及された。それは物事を解決していく指針として重要だなあ。「地球全体の資産をみんなで大事にしよう」ということだから。乱開発を予防するためにも、誰も排他的利益を持たない場所が増えるのはいいことに違いない。

最後に
矢吹さんのお話とは関係しませんが、南極のことを思い出しました。
南極条約の下、南極では一切の軍事利用と「平和目的」での核爆発が禁止され、領土主権も請求権も凍結されています。


お話の中のいろんなポイントを割愛しました。後日の「まとめ」をお楽しみに~。

【イベント案内】
6月4日(日)統一マダン 11時~15時 新長田 若松公園
 KOBEピースiネットもブースを出して、朝鮮高校にも高校無償化の適用を求める署名を集めたりします。ステージはとっても楽しいし、いろんな国の屋台も出ます。

6月11日 市民デモHYOGO主催の共謀罪反対のデモがあります。
勤労会館前の広場に5時集合。そこから大丸前交差点までデモ。シンボルカラーはグリーン。あらゆる市民活動の萎縮を狙う共謀罪創設にNO!
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