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交渉開始のポイントは「無条件」

米朝045
8・31付朝日に掲載された米朝関係の年表。

【朝日新聞に電話】
数か月前に似たような年表が掲載されたときに朝日新聞の編集室に電話して、「米側の約束不履行をひとつも書かないから、まじめに読むと朝鮮が一方的に悪い、どうしようもない連中だ、という印象になる。そうやって一方だけが悪者だという雰囲気を高めることは東アジアからキナ臭さを消す上でマイナスにしかならないと思う。次回は公正な年表を掲載してほしい」と伝えた。「貴重なご意見をありがとうございました」とのみ返答があった。今回も、1994年と2005年の合意がなぜ破綻したのか書いていない(上の年表で黒くマークして「理由」と書き込んである箇所)。ただ、9月4日付けの紙面は前より少しましになったような気がする。(後述)

(いつも掲載している自然をめでる写真は末尾に。塩屋浜の夕暮れなど)

【米朝のふるまいを整理】
上の年表に沿ってこれまでの経過を整理してみよう。
1993年 
朝鮮、NPT(核不拡散条約)脱退を宣言。核開発に向かう。
国連、朝鮮にNPT復帰要請
1994年 
米朝枠組み合意(米は軽水炉を提供し、朝鮮は核開発を放棄する)
エネルギー問題の解決に米も協力。朝鮮は独自核開発しないという内容
      → 破綻
理由:このときの軽水炉はラムズフェルドが取締役のひとりであった会社の製品で朝鮮は代価を支払ったが、その後の技術移転やメンテナンスの提供はなく、実際稼働にまで至らなかった。米側の契約・合意不履行により破綻した。
 (ここまではクリントン政権)

2002年 
ブッシュ、朝鮮を「悪の枢軸」の一つと名指しする。
この頃「ならず者をかくまう国はならず者」発言→タリバーン政権は証拠の提示があればビン・ラーディンを引き渡すと応じたが、その要請に応えないままアフガニスタン爆撃(当時ビン・ラーディンはアフガニスタン政府の客人)
2003年 
朝鮮、再びNPT脱退宣言
6者協議開始 (米朝韓中日露)
3月、米主導の有志連合、イラクに侵攻
(大量破壊兵器はないとの報告が米政府にあげられていたにもかかわらず)
2005年 
朝鮮「自衛のための核開発」表明
「アフガニスタン、イラク、リビアの例から(核をもっていないと米に破壊されるとの)教訓を得た」とのちに表明。

9月 6者協議共同宣言(朝鮮は核を放棄し、米は侵略しない約束)
直後(9月中)米による対朝金融制裁→上の合意は破綻
理由:(2007年の項までを参照してください)
(制裁の理由として偽ドル事件をねつ造→
このねつ造と制裁で宣言は反古になり、朝鮮は核開発を再開)
2006年 朝鮮、ミサイル実験。それに対して国連の制裁決議
2007年 
ドイツで米朝協議、米は事実上、偽ドル事件は濡れ衣と認めて金融制裁を解除すると伝達したが、凍結された資産は返還されず、その後の核開発への制裁も解除されず、6者協議は破綻したまま(朝鮮「被告として協議に戻る気はない、制裁解除と平和のための協議が先。信頼の醸成なしに核放棄はできない」と主張)。(この偽ドル事件の顛末はほとんど報道されなかった)
この頃、イラク戦争は正規軍の戦闘は終了していたが米による武力占領下で武装勢力との戦闘は激化し、国土の破壊は進行、国民の4分の1が難民化

◆ 米が侵略しないと約束するなら核開発はしない」という東北アジアの非核化をすすめる上で有意義な合意が二度、米のふるまいにより破綻した。
一方、朝鮮は、国際舞台での正式表明を見るかぎり、無条件に米国を敵視しているわけではない。どんな表明をしてきたのか?


【朝鮮国連大使の表明】
2006年国連での朴吉淵国連大使の演説を要約すると...
・朝鮮民主主義人民共和国(以下「朝鮮」)は朝鮮半島の非核化を望む。
・朝鮮は米国の大規模軍事演習を含む軍事的脅威にさらされている。
・米国の脅威がなくなれば朝鮮が核を保有する必要もなくなる。
・核のない朝鮮半島の実現を真摯に望むがゆえに米国に何度も交渉を提案してきた。
・その交渉と対話を通じていっさいの敵対的な政策は放棄されねばならない。
・ブッシュ政権はこの交渉への呼びかけに応えるのではなく、制裁と経済封鎖で対応している。
・朝鮮はやむをえず、自国の存続と防衛のために、核保有国であることを宣言することにした。
・以上の経過により核実験に踏み切ったが、交渉と対話で朝鮮半島全域の非核化の実現をめざす意思は今も不変である。


【米国の反応】
この態度はオバマ政権時にも変わらなかったが、オバマ大統領は「戦略的忍耐」というフレーズを使って交渉拒否を続け、日韓合同軍事演習も継続。トランプ氏は選挙戦の最中は交渉してみせると言ったが大統領に就任してからは、軍事的威嚇と緊張を高める振る舞いがエスカレートしていることを除けば前任者と基本的に同じ態度(交渉開始に条件をつける)。

【二種類の交渉】
みんなが交渉を!と言っているのに始まる気配がない。
朝鮮の提案は「無条件の交渉、現状から出発した交渉=自衛のための核兵器を保有していると表明している朝鮮と軍事的威嚇を続けている米国の交渉」である。


一方
安倍首相が「対話のための対話は無意味」という分脈で「相手に交渉の用意がないことは明らか」などというときの「交渉」は核放棄を前提とした交渉で、米国に屈服したあとでの交渉。米国が「相手が自ら交渉の場に出てくるまで圧力をかける」というときの「交渉」も核放棄を前提としている。そうでない交渉なら朝鮮が何度も提案しているので始められないわけがない

米朝の敵対関係が続いていて、朝鮮は自衛のためと考えて核武装を進めているという現実から出発した、和平のための交渉、無条件の交渉が必要だ。


【朝鮮半島非核化の願いに逆行する国々】
核開発反対はみんなの思い。朝鮮半島の非核化はみんなの願い。
なのに、米国のほか、朝鮮、韓国、日本という、朝鮮半島有事の際に大きな被害を被る三つの国の政府が非核化に逆行している。
・朝鮮は、威力ある核弾頭の開発とそれをICBMに搭載可能にする弾頭小型化に邁進。
・そこへ追いやってきたのが米国の世界でのふるまいと対朝鮮政策だといえる。
・さらに、8月30日、韓国国防相は米韓国防相会談で、韓国への「米軍戦術核の再配備」に言及したが、現に今も韓国内に核兵器が配備されたままになっているともいわれている。(朝鮮のいう「非核化」は米国の核兵器の撤去も含む)
・日本は小泉政権時に6か国協議の成功に貢献したが、それ以外では拉致問題を最優先させて、その解決なしには交渉を始めないという態度。核開発問題では無条件の交渉をとりもつどころか、米国に軟化しないでほしいと要請している。朝鮮の核を無害化→廃棄に向かわせる現実的提案は皆無である。朝鮮の「暴走」を利用して軍拡に励んでいる。


【米国へのお願い】
以上の整理に間違いがないなら、朝鮮半島の非核化の鍵は米国が握っている。米国に次のことを要請したい。
・無条件で交渉を始める(朝鮮がすでに提案)。
・朝鮮戦争をきちんと終わらせ、敵対関係を終了する(朝鮮がすでに提案)。
・準国連軍として韓国に駐留させている米軍をひとまず撤退させる(朝鮮戦争が終わると駐留の根拠が消滅)。
・首脳斬首計画を含むような、敵対的な大規模軍事演習は終了する。
・その方向に進むことを現実的条件として朝鮮の核開発中止と保有している核の放棄を協議する。
・NPT加盟国としての米国の義務を誠実に履行する(保有核兵器の削減から廃棄に向かう)


【日本がとるべき道】
東北アジアの平和に大いに関係がある日本としてはどうするべきか?
9月4日朝日に掲載されたピース・デポ特別顧問梅林さんのコメントを紹介する。(これを掲載したことが、最初に書いた、朝日が少しマシになったように思えた理由)

「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)と核開発を進める目的は、米国と交渉して自主独立の国家体制を維持すること。日本への脅威が一段と上がったわけではなく、北朝鮮が日本を標的にする意味はほとんどない。今回の実験は北東アジア非核地帯を真剣にめざす契機ととらえるべきだ。
北朝鮮に、核軍縮に逆行する核開発の放棄を促すには、日本も転換が必要。米国の「核の傘」に依存し、核兵器禁止条約に背を向けるような政策を見直さなければ説得力がない。」

この記事のすぐ隣に拉致被害者家族の有本嘉代子さんの言葉が掲載されている。
「核、ミサイルも含め、対話の場を模索した方が拉致問題の解決に近づくのでは」


【日韓以外の国々は】
圧力も制裁も朝鮮の核開発をとめることができていない。核を保有しなければ米国に滅ぼされるとの朝鮮の確信は深いし、制裁には抜け道がたくさんある。今までより制裁を強化するといっても中露がかかわる石油パイプラインはとめられないだろう。供給される原油の性質から、いったん停止すると中で固まって、パイプラインを再稼働できなくなるから。このパイプラインで朝鮮に供給されている原油は年間50万トンほどで、需要の半分にあたるという。経済的には朝鮮を完全に孤立させることは難しそうだ。相互に依存している貿易関係の中で、朝鮮を完全に孤立させると損失を被る国も多い。物資不足になって体制が不安定化することを期待する向きもあるようだが、中国は朝鮮の体制崩壊の結果、難民が大量に流入することは望んでいない。
4日の国連安保理で日米が制裁の強化を訴えたが、中国とロシアは「強く非難する」と言いつつも「平和的に解決すべき」「ただちに交渉を開始すべき」と主張した。


朝鮮と国交のあるイギリスの放送局BBCが、今回の水爆実験のあとのネット配信でこんな見通しを語っている。
Containment and deterrence will now come to the fore as the world adjusts its policy from seeking to roll-back Pyongyang's weapons programme to living with a nuclear-armed North Korea.
「世界が、朝鮮の武装プログラムの巻き戻しの追求から核武装した朝鮮との共存へと政策を調整する中、封じ込めと抑止が前面に出てくるだろう。」
同じ記事の中で、NPT非加盟のインド、パキスタン、イスラエルが核を保有しつつ存立を許されていることにも言及している。少なくとも朝米戦争ではなく共存しかないよ、と示唆しているように読める。

◆ 圧力をかけて核を放棄させることはできないと気付くのが先か?完全に米国本土攻撃に使える核武装が完成するのが先か?

安倍さんは脅威が最高レベルに達したなどと煽っているが、日本が標的になるおそれがあるのは米軍に自由に国土を使わせているから。

◆ 日米安保をやめれば脅威はなくなると人々が気づくのが先か?自衛隊と米軍の一体化をもっと進めて、朝鮮と本当の敵対関係ができてしまうのが先か?


【市民の安全の担い手は市民】
米国がカギを握っているといっても、日本の市民に出番がないわけではない。いや、人々の安全を最優先に考えるのはどこの国家でもなくすべての国の市民だ。
「無条件の交渉を始めるよう、米国に要請せよ」の声を政府に届けたい。「無条件の交渉」と強調しなくてはならない。

一刻も早い無条件の交渉を!

【主催イベント・仲間のアクション】
●西宮市が9月17日に、朝鮮のミサイル発射実験に備えた避難訓練を計画している。
この安全確保に対しては無意味無効な、脅威をあおるだけの避難訓練計画に対して、西宮市民が訓練に反対し、対話で解決するしかないと訴えるチラシを避難訓練の地域でポスティングしようとしている。
西宮市外からの参加も歓迎される。
9月12日(火)pm10時 集合 12時まで
配布枚数3000枚
阪神電車 武庫川線 (武庫川駅で乗り換え)武庫川団地前駅

●マルイ前での定例アクション
木曜は3時~4時半、土曜は1時~2時。
木曜の「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」のアクションでは、シール投票という手法が取り入れられるようになっている。今のテーマは朝鮮の核開発問題、どうする?圧力と制裁?対話で解決?

●KOBEピースiネットの特別企画
16日(土)10時~12時 ケニア報告
パレスチナとケニアで国際協力に携わってきた多田茉莉絵さんが「ケニアから見た平和―国際協力の現場から」と題して報告する。写真満載。武力に無縁の国際協力について学べる。
場所:神戸生活創造センター (JR神戸駅南東へ徒歩3分クリスタルビル5階)
 セミナー室)
無料 (席は20名分)

17日(日)『標的の島 風かたか』上映会
10:00~と13:30~の2回 
場所:神戸市勤労会館多目的ホール
   前売り 800円  当日 1000円 
連絡先:090-3975-0670(松谷)


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神戸では珍しい自然海岸、塩屋浜。夕焼けを見ながらのビールは最高。

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我が家からは30分で行ける須磨浦山上遊園までの山道で足元をみると、あら!玉虫が。水場で砂ぼこりを落として撮影。



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