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最大の脅威・最大の嘘

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猫にだって意志はある。花束のそばで撮りたかったのに、どうしても足から離れないという。足フェチ猫ちゃん。

【世界が驚きあきれたトランプ演説】
国連でのトランプ大統領の演説が話題になっている。最大級の言葉で朝鮮民主主義人民共和国を悪魔化し、イランとベネズエラを道連れにした。英語圏では「国連72年の歴史上最も荒唐無稽」(Strategic Culture Foundation)とも評され、このたびトランプ大統領によってならず者三兄弟の一つに指定されたイランは「無知で野蛮で憎悪に満ちた」演説とコメント。核合意(米国はイラン敵視をやめ、イランは核開発をしないと約束)をイラン側から破棄することはない、と断言。フランスもイランとの核合意は世界平和にとって必須とし、トランプ大統領のイランとの合意破棄をほのめかす言葉に対抗した。ロシアゲート(これ自体は根拠に乏しい)で守勢に立たされ、ロシア制裁決議に署名することで大統領権限を制限された憤懣から、朝鮮でもどこでもいい、とにかく米国の外に敵はいる、と宣伝し求心力の回復を図ったのだろう。

【世界平和にとって最大の脅威は?】
・世界の世論
トランプ大統領は朝鮮が世界の最大の脅威だと言ったとき、断固たる態度で大嘘をつけば世間を騙せると言ったゲッペルスの言葉に従ったのだろうか。
ここで、ある国際世論調査を思いだした。
あちこちで引用されている、WIN/ギャラップ・インタナショナールが2013年に実施した65か国を対象にした国際世論調査(2013年実施)だ。

→ 2013国際世論調査


質問―どの国が今日の世界平和への最大の脅威だと思うか
回答したのは全世界で67,806人。
1位 米国(24%)
2位 パキスタン(8%)
3位 中国(6%)

この調査会社は同じ項目での調査をその後していないが、ピュー・リサーチセンターが2013年と2017年に実施した国際世論調査がある。30か国で行っている。この30か国は、ベネズエラ以外は米国の同盟国か準同盟国で、質問は「あなたの国にとって米国は脅威だと考えるか」。35%がYESと回答している。

背景には、もちろん「自衛」名目で武力攻撃を始めたイラク戦争やリビア、シリアの破壊があるだろう。
米国の振る舞いに脅威を感じないのは日本のほか数少ない「同盟国」だけだろう。
しかし、実は平和学を創始したヨハン・ガルトゥング氏が指摘するように、日本の政財界も米国の力の前におののいているのかもしれない。「言うことをきいておかないとヤバイ」
この世論調査の結果は人々の認識を示すもの。その国の政治指導者への信頼感の問題だ。


・軍事力はどうだろう。
世界の軍事支出 上位15か国(Forbes調査)
→ Forbes軍事支出調査
20170424_Military_Expenditure.jpg
上のグラフはForbesという、世界の長者番付を発表することでよく知られた経済専門誌が提供しているもの。これは現在世界中で軍事に支出されている費用を国別にグラフにしたもの(把握できた限りで)で米国の支出が群を抜いていることが一目でわかる 。
割合を見ると
1位の米国は 36.6%
2位の中国は 13.0%
3位のロシアは 4.1%
米国は世界第2~10位までの国々の軍事費を合計したよりも多くの額を費やしている。
平和憲法をいただく日本もこの上位15に入っていて、第8位。
ちなみに、トランプ大統領が国連で「現在世界で最大の脅威となっている」と断言した朝鮮民主主義人民共和国は15位の中には入っていない。
トランプ大統領は国連演説の中でイランや朝鮮など、自らが敵視する国の今後の攻撃力(ミサイルの射程距離)を問題とした。それなら、ずっと前から全世界に届く武力を有する米軍は世界にとっての少なくとも潜在的な脅威というべきだ。それに、信頼感の喪失と世界を破壊できる武力の両方を兼ね備えた国は米国をおいてはない。

・理不尽な武力行使の実績
武力行使の「実績」をみても、第二次大戦後米国が軍隊を投入して破壊した国は朝鮮、べトナム7、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、とたくさんあり、破壊しようとした国もキューバやチリなどたくさんある。今回の演説でベネズエラも候補にされた(すでに工作が始まっている模様)。
このたび「最大の脅威」とレッテルを貼られた朝鮮は朝鮮半島の外に軍を進めたことはない。いかなる外国をも攻撃したことはない。核開発していることが脅威とみなされる原因だが、その目的は「自国の防衛」であって、妥協することなく戦うとの態度表明にも、「米国が攻撃をしかけるなら」という条件がついている。実際、脅威のレベルだけをいうなら、朝鮮のミサイル上空通過の脅威は、日本の領空を毎日自由に飛び回って事故を頻発させているオスプレイにはとてもかなわない。

★「朝鮮は世界平和にとって最大の脅威である」、というのは最大の脅威を与える政治指導者の口から出た真っ赤な嘘だ。


【人権問題と平和】
トランプ大統領は「朝鮮=最大の脅威、ならず者」との印象を強めたいために朝鮮国内での人権侵害にも言及。人権問題は実際あるのだろう(推定)。しかし、Brave New Films(Greenwald主宰のドキュメンタリ製作集団)は米国の統治システムによる国内の人権侵害を日々告発し続けている。移民や移民の子どもたちへの迫害や警官が黒人市民を簡単に射殺する事件がいくつかあったし報道されもした。ほかにも、夜中に赤ちゃんの紙おむつを買いに出ただけで不審人物とされて拘留され、返金されない保釈金(200万円ぐらい)を払うのにローンを組まなくてはならず、貧しい家庭がますます困窮する、などの事例がいくつも報告されている。銃製造・販売業者の利権がからんでどうしても銃規制法が成立せず、民間人が保有する銃による死傷事件が発生し続けている。たとえばこの9月20日だけでも全米の銃による死者は20人を超えている。 
全米の銃の犠牲者

これが、人権を何より大事にする国の姿だろうか?どの国にも人権問題はある。日本も国連人権理事会からたくさんの勧告を受け取っている。人権問題を理由に互いへの憎悪を煽って武力介入を正当化してもいいのなら、世界の破壊が進行するだけではないか。人権問題を大国が内政干渉するために利用させてはならない。世界が社会体制の違いを越えて人権意識を高める取り組みの道半ばにあることを自覚するなら、相互に友好的に人権問題の解決のために支援しあえるはずではないか。本当に人権侵害の被害当事者のことを考えるのなら。

【核廃絶への道はどこに】
イラク戦争を始めるときのブッシュのウソに騙されたアメリカ人が再び、あのときとそっくりなトランプ大統領の言葉を信じるとは思いたくない。国連でのトランプ演説を聞いた各国指導者のうちご満悦だったのはイスラエル首脳だけで、米国のケリー大統領首席補佐官は顔を手で覆っていたという観察もある。イランとベネズエラと朝鮮を「ならず者」に指定した上、オバマ政権の数少ない国際政治への貢献の一つであるイランとの核合意を破棄しかねない言辞を吐いたので、フランスやロシアから公然批判されたものだが、日本の有権者はどう見ただろうか。安倍首相はトランプ大統領支持を宣伝するためというより、国連を拡声器として活用するために危機おありに余念がなかったが朝鮮半島を非核地帯にするためのステップなど何も考えていないし提起したことがない。たまには先輩のアドバイスを聞いてほしいものだ。(福田元首相の言葉「制裁、制裁では解決しない」「交渉を始めるには、核の問題とは別に経済支援を行うなど融和政策が必要」9月17日付け朝日)
核保有国の増加を憂慮すればこそ、東北アジアを非核地帯にするための現実的な方法を考える必要がある。トランプ大統領が選挙戦中に言ったように、「どこの国も敵視しない」アメリカになってくれたら世界はどんなに平和になることか。当面、米国の朝鮮敵視政策が地域のリスクを高めてきたという事実を広く知ってほしい。それをやめることが最初の一歩だろう。

次のリンクのStrategic Culture Foundationの2017年8月7日の記事を参考にした。

Eric Zuezeeの論考

どなたかがその記事を翻訳しておられる。
→ Eric Zuezee記事和訳


【沖縄のこと】
北上田毅さんが今日講演会を開く。演題は「辺野古は今どうなっているのか~混乱をきわめる防衛局」。サブタイトルが気になる。おそらく講演概要などあとで発信されるだろう。
北上田さんのブログはこちら→
チョイさんの沖縄日記
いつも、大手メディアの報道に惑わされないための視点と事実の暴露をありがたく読ませていただいている。引き出される結論は「あきらめるな!」「あきらめてる場合じゃない」ということ。


【当会主催イベント】
ドキュメンタリから学ぶ平和 第二回「うりずんの雨」(変更の可能性あり)
10月27日(金)19時~21時
場所 神戸生活創造センター セミナー室A
参加費  なし

【仲間の取組み】
● 木曜定例アクション 毎週木曜 3時~4時半 三宮マルイ前
「安保法制に反対する市民の集い」を中心とする、「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」の仲間たちが道行く市民にトークやチラシ配布でアピール。飛び入り歓迎。

● 土曜定例アクション 毎週土曜 1時~2時 三宮マルイ前
「辺野古の海に基地をつくらせない神戸行動」と賛同する市民が一緒に、辺野古の海の埋め立てに反対し、沖縄のことをみんなで考えようとアピール。三線のしらべも。

● 毎月第三水曜 街角歌声アクション 18:45分から JR元町駅 東口 南側
「ピースキャンドルこうべ」と飛び入りの市民が平和を呼ぶ歌を次々と歌うアクション。
次回は10月18日。 9月20日はブルース・ハーモニカの雪井さんも参加して一段と素敵なアクションになっていた。

● 憲法をこわさせないための意見広告賛同者募集中。(8/28の記事「視点をしっかり定めて」の末尾の情報参照)

● 中野晃一講演会―自己保身解散に怒る市民にとって手をつないでうねりをつくるための絶好の機会。講演後の交流会では選挙の取り組み方が話題になりそう。
演題 「アベ政治をやめさせるとき社会は変わる」
9月30日(土) 14時~17時
場所 兵庫県民会館 けんみんホール
前売り券 500円 当日券 800円  キッズスペース、手話通訳あり
主催 市民が変える政治とくらし 中野晃一講演会実行委員会
連絡先:090-3652-8652 高橋 saltshop@kobe.zaq.jp


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